家族である可愛いペットには健康で長生きして欲しいと願います。
毎日ペットの体調はしっかりと管理しているつもりでも、梅雨の時期には思わぬ落とし穴がありました。
肌寒い雨の日でも熱中症になる
我が家には愛犬ミニチュアシュナウザーのクリスがいます。
今はわたしと同じマンションに、わたしの母と一緒に住んでいます。
そのクリスが昨年12才の6月の初旬、夜から翌朝まで下痢と嘔吐を繰り返しました。
水はよく飲むのですが、食欲は全くない様子です。
ぐったりとして元気がなく、胸を触ると心臓が激しくドキドキしている感じです。
母から連絡があり急いでクリスの様子を見に行くと、どうも熱はなさそうですがもしかして熱中症かもしれないと思い至りました。
でもなぜ熱中症に?
その日の関西は梅雨入り前なのに一日中雨が降っていました。
2022年の関西地方は6月14日にようやく遅めの「梅雨入り宣言」がされましたが、それまでも雨の降る日が多く、人間にとっては『肌寒い』と思える日が続いていたのです。
それでもペットたちにとっては「人間なら真夏に毛皮のコートを着込んでいる」のと同じ状態なくらい暑さには弱いので、熱中症になる可能性も高いことはわかっていたつもりだったので、母も私もクリスに対して申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
病院へ連れて行くまでの間、氷水で冷やしたタオルで全身を包んでみたり、ドッグフードをお湯でふやかして食べやすくしてみたりしましたが、調子は良くならずとても心配でした。
そして動物病院での診断はやはり「熱中症になりかけている」ということでした。
犬と人間とは体感温度が違う
熱中症とは『体温調節機能が働かなくなり高体温や脱水になることで生じる全身の疾患』です。
特に犬や猫の場合は【足の裏】だけでしか汗をかけないので、人間のように「全身で汗をかいて体温調整」をすることができません。
なので犬は口を開けて舌を出し「ハァ、ハァ、ハァ」と呼吸をする『パンティング』という方法で体温を下げようとします。
しかし気温や湿度が高いとうまく体温調節ができずに熱中症になってしまうのです。
高温、高湿度に関しては人間よりもかなり気をつけなければなりません。
愛犬クリスは窓を開けている家の中で、人間にとっては涼しく快適な状態であっても熱中症になりかけてしまったのです。
雨で湿度が高いため、犬にとっては6月はもう暑いのです。
ひとが少し寒いと感じる気温でも、高齢で体力が落ちてきているクリスにとってはすでに辛い季節になっていたのです。
これは飼い主の母やわたしは猛反省しなければいけません。
動物病院での治療と家での対処法
クリスは動物病院で注射を打ってもらい、薬が処方されました。
薬は下痢止めを5日分処方してもらっており、朝夕2回飲んでいましたが、3日経っても下痢は続いており、なかなか回復しませんでした。
3日目の朝にはグッタリと寝込むことはなくなり一見元気なようには見えましたが、お腹の調子が悪いのと食欲が完全に戻っていない感じだったんです。
オーエスワンを飲ませてもいいか聞いてみたところ
ちょうどその頃、脱水時に飲む経口補水液『オーエスワン』を沢山購入していました。
なので犬にも熱中症なら飲ませてもいいかどうか動物病院の先生に訊ねました。
インターネットのいろんなサイトに「飲ませても良い」と書いてあったのですが、先生の返答は
「飲まさないでください」
とおっしゃったのです。
「塩分が入っているものを犬に与える時は水で薄めるように」とのことでしたが、「オーエスワン」は水で薄めることはできません。
オーエスワンは、水と電解質が速やかに吸収できるように、組成が調整されています。薄めたり、何かに混ぜたりすると電解質と糖分のバランスが崩れ、吸収速度にも影響が出ますのでそのままお飲みください。
引用元:経口補水液オーエスワン(OS-1) 大塚製薬工場
そして先生からは「脱水時は犬用のドリンクを飲ませてください」と言われました。
犬用ドリンクとは?
人間用の「スポーツドリンク」は糖分が多く、「オーエスワン」はそもそも人間の電解質バランスで作られているので、本来は犬には不向きです。
では犬用の経口補水液ってどんなもの?と思って調べてみました。
商品としては粉末タイプや飲料タイプ、ゼリータイプなどがありました。
『ハイドロパウダー』株式会社QIX
- WHOが提唱する経口補水理論の考え方を基にした、水分・電解質の吸収性を高めた経口補水粉末飲料
- 個包装タイプで小型犬にも使いやすい
吸収率を重視した ハイポトニック 飲料(低浸透圧)
スポーツドリンクは、水に糖質・ビタミン・ミネラルなどが溶けた状態の水溶液ですが、吸収の速さには浸透圧が関係しています。
一般に、動物の体液と等しい浸透圧はアイソトニックと呼ばれ、胃から腸への移行速度が速いため、安静時には吸収されやすいです。しかし胃からも、わずかですがドリンクの水分だけが吸収されてしまうため、スポーツドリンクは濃縮され高浸透圧(ハイパートニック)になってしまいます。こうなると胃から腸への移行が遅くなり、迅速な吸収ができなくなります。 そこで、水分を補給するドリンクは体液より低い浸透圧、すなわち「ハイポトニック」である方が速やかに水分補給ができます
引用元:株式会社QIX公式サイト『ハイドロパウダー』
ペティエンス 犬猫用 ハイドロパウダー 犬猫用 30本【経口補水飲料】【水に溶かすだけ】(32135)
『ペットスエット』アース・ペット株式会社
●飲料タイプ
- ペットの体液に近いイオンバランス。水分・イオンを素早く吸収。
- 皮ふ・被毛の健康維持をサポートするパントテン酸カルシウム配合。
- オリゴ糖(ラクトスクロース)がお腹の環境を健康に保つ。
- 愛犬・愛猫の喜ぶヨーグルト風味。
(まとめ)アース ペットスエット 2L 【ペット用品】【×6セット】(同梱・代引き不可)
●ゼリータイプ
アース ペットスエットゼリー ミルク味 犬用 20g×30本※お1人様1セット限り(41804)
命にかかわる犬の熱中症や脱水は軽視できない
スポーツドリンクや経口補水液がどうしても人間用しかない場合、緊急措置として水で2〜3倍に薄めて与えても、常用しなければ大丈夫なようですが、できれば犬用の方が安心ですね。
そして、まずは熱中症にはならないように気をつけてあげなければならないのです。
人間にとって涼しいと思える気候でも犬にとっては油断ならないので、車の中に放置なんて有り得ません。
たとえ数分だと思っても夏の車内は50℃を超える地獄です。
夏場のお散歩も日中はアスファルトが50〜60℃を超えるため、涼しくなってきた夕方以降でも人間がまず手で道路を触って確認をしなければいけないようです。
部屋の中でも熱中症になってしまうので、お留守番の時もエアコンで部屋の温度は涼しく保つようにしないといけません。
この時はクリスに辛い思いをさせたことで、母はかなり落ち込んでしまいました。
愛犬の大事な命、飼い主がしっかりと守っていきたいです。