もうずいぶん昔、1984年の頃の話です。
我が家の家族だったポメラニアンの『コロちゃん』がまだ7才の時にペット美容室で亡くなったエピソードです。
今の時代と違って、昔はSNSなんてなかったこともあり、大切な家族を失っても大きな声で世間に訴えられない時代でした。
愛犬との突然の別れに当時中学生だったわたしはかなりショックを受けた出来事です。
ペットたちを「くん」「ちゃん」付けにしております。人間の子であれば我が子なのにお恥ずかしいことだと思いますが、ペットたちの場合は愛称として捉えていただきたくお許しください。
ペット美容室での突然の死
ポメラニアンは長毛種なので、定期的にカットが必要です。
1984年当時はペットが増えてきていた時代なので、美容室の数もチラホラと増えてきていました。
それでもまだまだ今の時代には当たり前のことを当時は知られていなかったり、知識も今よりは少なかったりしたのだと思います。
ネットですぐに調べられる時代でもありませんでした。
わたしが中学3年生の6月、担任の先生から「ご不幸があったみたいだからすぐに帰りなさい」と言われ、すぐに帰宅しました。
するとその日の朝元気だったはずの愛犬『コロちゃん』がすでに冷たいカラダで畳の部屋の毛布に寝かされていました。
ペット美容室に行っていたはずのコロちゃんは、ドライヤー付きのボックスに入っていた時に心臓マヒを起こしたらしく、そのまま虹の橋を渡っていってしまいました。
1980年代のドライヤー事情とは?
今の時代は人間の手でドライヤーを持ち素早くペットの毛を乾かしていきます。
ところが1980年代、ペット美容室によっては乾燥機のような『熱風の出る箱』にカラダ全体を入れて乾かしていたのです。
コロちゃんもそのドライヤーボックスに入れられて数分間熱風を当てられ心臓マヒを起こしました。
コロちゃんの異変に気がついたペット美容室のひとがすぐに獣医さんを呼び、処置を施して下さったそうですがもうに手遅れだったそうです。
連絡を受けた母が急いで迎えに行くと、トリマーさんの腕の中でバスタオルにくるまれたコロちゃんはすでに亡くなっていました。
ペット美容室の対応
母は近所で揉めるのは避けたかったらしく、翌日「お世話になりました」と新しいバスタオルを持って挨拶に行きましたが、美容室側の対応は納得のいくものでは決してありませんでした。
「当日美容室に来る前に熱があったはずだ」と責められたそうです。
『熱があったのに美容室に連れてきた飼い主側に責任があるのであって、美容室側には責任はない』という態度を取られ、わたしたち家族は更に悲しみが深くなりました。
愛犬に熱があってしんどそうにしていたらわかるはずです。
美容室側は訴えられるのを恐れてのことだったのでしょうが、決してこちらから美容室に対して責めるような態度は取ってはいない上に、お世話になった挨拶まで行っているのにそんなことを言われ、悔しくて仕方がありませんでした。
怒ろうが叫ぼうが愛犬が戻ってくることはないので、母の『揉めたくない』という大人の判断に従うしか、当時子供だったわたしには何もできることはありませんでしたが......。
ペットとの暮らしに知識は絶対必要
今の時代だとSNSなどで酷いペット美容室はすぐに発覚するのでしょうけど、それでも飼い主側の知識はとても大切だと感じます。
ドライヤーの強い熱風を全身に、連続数分間もあてたらどうなるのか。
コロちゃんのことは当時飼い主側にしっかりとした知識があればあんなことにならなかったかも知れないと後悔しました。
今は機械の性能も技術も向上しているので、当時とは全く違うと思います。
ですが時代に関係なく、ペットの幸せのためにしっかりと最新の知識や情報を手に入れ、騙されたり誤魔化されたりして悔しい思いをしないようにしたいものです。