ともみろぐ

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怪談は夏だけではない!佐藤愛子さんの『冥途のお客』を読みました。

わたしの趣味のひとつに『怪談』『心霊』関係があります。

小さい頃から不思議なものや奇異なもの、心霊ものの話が大好きなんです。

話を聞くのも映像で観るのも大好きです。

稲川淳二さんや北野誠さん、松原タニシさん、中山市朗さん、島田秀平さん、三木大雲和尚などなど、怪談を話される方たちお話も大好きで、YouTubeを観たり怪談ツアーにも出向いてみたりしています。

最近は夏だけではなく季節を問わず怪談イベントがあり、年中楽しいです。

そんな中、先日佐藤愛子さんの『冥途のお客』を読んでみました。

自ら求めないと怪談に触れられない現状

今の時代は夏にテレビで心霊番組をやらなくなり、心霊話が好きなひとは各自『wowow』『スカパー』『U-NEXT』などの有料番組で観てねって感じになりました。

昔は夏になるとお昼の番組で「あなたの知らない世界」のような怪談再現ドラマが放映されていました。

「さあ夏ですよ!」と、これでもかっていうくらい怪談もの、心霊ものの番組が放送されていたのです。

ところが1995年、ある宗教団体が起こした大事件を境に、若者に超常現象への憧れを煽らないようにする為に、いわゆる『オカルト番組』は表舞台から姿を消していきました。

「怪談話が好きなひとは各自で見たいものを求めてくださいね」という時代へ変わっていったのです。

なのでテレビ放送には期待ができない!

唯一毎年「稲川淳二の怪談グランプリ」(関西テレビ)が放送されますように!と祈っています。

最近ではもっぱら『YouTube』にお世話になっている毎日です。

怪談ものは映像よりも本の方が良い?

もうひとつテレビ番組に期待できないのは、最近の技術の進化によって素人でも誰でも心霊風に動画編集できてしまうので、あまり信憑性がない動画が多くなってしまったことです。

昔から「実際に写り込んだ”本物”は放送しない」という暗黙のルールの中にも「これはもしかして本物かもしれない」という期待感があったのですが、今の時代は明らかに『作り込みました感』満載の動画が増えました。

そんな理由でも放送される番組が減ってしまったように思うのですが......。

もうテレビをあてにするのはやめていますので、怖い話を探してYouTubeや有料番組で情報収集をするのです。

怪談は「ジャーン!」「ババーン!!」って驚かされるよりも、静かに語ってもらう方がより奇妙さが増すと思います。

そして本は最高の情報源!

自分の頭の中で想像しながら読むので、より不気味な感じがします。

いかにも怖そうな話も大好きですが、そんな時ふとあまり怖さを前面に出していない佐藤愛子さんの『冥途のお客』が気になったのです。

著者は50歳を過ぎてから霊感体質になった!?

佐藤愛子さんは元々霊の類を感じない体質だったそうなのですが、50歳を過ぎてから数々の心霊現象を体験され、この本を書かれた80代までの実体験を綴ってあるエッセイです。

それまで普通の生活をされていたのに、ある日から霊感体質になったことによってかなり人生観が変わられたようです。

わたしは心霊話は大好きですが、いざ自分が体験する側になった時に、こんなに明るく対応できるのかしらと、佐藤さんの体験されたエピソードは盛りだくさんでした。

心霊について学ばれた際のご縁で交流がある方、霊感体質の作家のお友達や娘さんと体験されたエピソードなどが、本当は怖くて震えるような体験のはずなのに、佐藤さんの明るいお人柄のおかげ(?)か、霊のお話が全く怖くないんです。

購入前に美輪明宏さん江原啓之さんとの交流があるとのレビューを読んで、とても興味が湧きました。

実際に親交の深い美輪明宏さんとのエピソードも江原啓之さんとのエピソードの内容も盛りだくさんで興味深く最後まで一気に読めました。

美輪明宏さんから伝授された霊の撃退法を素直に実行に移していた結果、佐藤さんがするととんでもないことになってしまった話は声を出して笑えました。

江原啓之さんと現地まで行かれた話では、岐阜にある集合住宅での心霊現象がなんかとても切なかったり、江原さんとの電話中に佐藤さんの親しい方々の霊が彼女の側にいることを伝え、佐藤さんには視えないので江原さんと霊達と中継のようになっていたり、非日常の面白さが沢山書かれていました。

佐藤さんの亡くなったお父様が今もあの世でご活躍されているお話は、この世とあの世は地続きなんだな〜と丹波哲郎さんがおっしゃっていたことを思い出しました。

『この世を生きるということはどういうことか』『この世とあの世のこと』など、とても感慨深い内容で面白かったです。


冥途のお客 (文春文庫) [ 佐藤 愛子 ]

不気味な怪談本とは違って、気持ちがほっこりできる内容ですので、怖いのは苦手な方でも楽しめる本だと思います。